外壁の種類別!お手入れ&メンテナンスガイド

外壁は、屋根と家本体を支える重要な部分です。

直射日光や雨風だけでなく、空気中の塵や埃、炭素やPM2.5のような汚染物質にさらされている外壁ですから、汚れを放置すればするほど劣化を早めることになります。

また、最近人気の「サイディング」も、「お手入れ不要」などのうたい文句も見かけますが、基本的な耐用年数が7~8年とも言われ、長く品質を維持するためには5~10年に1回は洗浄や塗り替えが必要です。

ただし、塗り替えともなると費用がかさむので、そのサイクルを少しでも長くしたいですよね。

そのために重要なのが、日頃の適切なお手入れ&メンテナンスです。定期的は難しくても、年に1~2回点検がてらにお手入れすることをおすすめします。

ここでは外壁の種類とその特徴に、自分でできるお手入れ方法をご紹介します。

外壁材

【外壁の種類と特徴、メンテナンス方法について】

<サイディング>

「サイディング」とは、板状の外壁材の総称で、その材質の違いで「窯業系」「金属系」「木質系」「樹脂系」などに分かれます。

「窯業系サイディング」とはセメントに繊維質と無機物を混ぜ合わせて板状に成形したもので、サイディングの中でも現在主流として使われているものです。
窯業系サイディングのメリットは「デザインが豊富」「価格も比較的安い」「耐火性能や遮音性能に優れている」ことです。反面「熱を溜め込みやすいこと」や「吸水性が高いこと」がデメリットとも言われます。

また、塗料の塗替えやシーリング(コーキング)の打ち替えのメンテナンスが必要なため、施工のサイクルは他の種類と比較して短めです。

「金属系サイディング」は屋根材にも使用されるアルミニウムやガルバニウム鋼板を利用した外壁材です。「外観をスタイリッシュに演出できる」「重量が軽いため、家にかかる負担が少ない」「耐震、断熱に優れる」などのメリットがあります。
対して、金属系サイディングのデメリットとして挙げられるのが「サビができやすいこと」や「ヘコミやキズができやすいこと」です。金属の板を想像するとわかりやすいと思いますが、金属系サイディングは、強い衝撃に弱いという特徴です。金属系サイディングは汚れや錆の発生を抑えるため、年に数度水洗いが必要です。

「木質系サイディング」は天然の木を用いて仕上げた、温もりを感じるデザインが魅力です。木を材料にしていることから「断熱性に優れていること」や、「ナチュラルな見た目」が特徴でありメリットです。
木質系サイディングのデメリットは「水分に弱く、給水性が高いこと」や「価格が比較的高いこと」です。

「樹脂系サイディング」は近年日本でもよく目にするようになってきましたが、アメリカでのシェアは50%以上といわれる、人気の外壁の種類です。樹脂系サイディングのメリットは「目地の補修が不要なこと」と「塩の被害や凍害に強いこと」です。
反面「見た目が少し安っぽいこと」と「選べる色のバリエーションが少ない」ことは樹脂系サイディングのデメリットです。

<モルタル>
砂と水、そしてセメントをベースに作ったモルタルを塗る外壁塗装の方法です。日本では昔から親しまれている手法で、「独特の風情のある外観を形成することが可能なこと」と「壁の表面が熱くならないこと」が、メリットです。
モルタルのデメリットとしては「ヒビ割れが発生しやすいこと」と「凹凸が出る仕上がりのため、汚れが溜まりやすいこと」です。

【サイディングやモルタルのお手入れ方法】

・砂ボコリなどの汚れは、ホースの水で洗い流します。この時、上から下に洗い流すようにしてください。
・泥などのしつこい汚れや鳥の糞などは、水洗いだけでは取れないので、住まい用洗剤をスポンジやブラシに付けて、軽くこすります。その後、水で充分洗い流します。
・換気扇の排気口のまわりは、油などの汚れが付いていることが多いため、住まい用洗剤を付け、汚れを浮き上がらせてから、スポンジやブラシでこするとよく落ちます。その後、充分な水洗いをしてください。

※外壁の洗浄と言えば「高圧洗浄機」を思い浮かべるかもしれませんが、家庭用であっても水圧が強すぎるため、サイディングやモルタルの洗浄にはお勧めできません。サイディングが崩れてしまったり、へこみができたり、塗膜が傷ついてしまうなどが考えられます。水洗いで落ちない汚れはプロに相談しましょう。

<レンガ>
煉瓦はそのデザイン性や高級感だけでなく、耐熱性の高さやメンテナンスがほとんど不要であることがそのメリットですが、施工に手間や時間がかかるため、単価が高くなります。そこで最近では「レンガタイル」などと呼ばれる軽量レンガや「レンガ調サイディングボード」などが多く流通しているため、ご自宅の外壁が本物のレンガなのか、「レンガ調」なのか確認してからメンテナンス方法を選びましょう。

また本物のレンガの場合も欠けや割れが発生した場合は、自分でメンテナンスすることは難しいため、プロの職人さんに相談しましょう。

<タイル>

外壁用タイルは、自然素材を高温で焼き固めたもので、耐水性、耐火性能に優れ、耐久性が高く、直射日光や風雨にさらされても、色あせや変色・劣化も少ない外壁材です。コスト面では初期費用はかかるものの、素材にもよりますが、タイルの表面は水に馴染みやすく、付着した汚れも、雨と一緒に流れ落ちるため、頻繁にお手入れやメンテナンスをする必要がないのもメリットです。

【タイルのお手入れ方法】

タイルや天然石、セメント製の外壁などに白い粉が付着した様な状態を「白華現象(はっかげんしょう)」と呼びます。水洗いで落ちない場合は、クエン酸や酢などの酸性のものを薄めて塗布するか、弱酸性のトイレ用洗剤などで落とすこともできますが、後で良く水洗いしましょう。また、最初から広範囲に塗布する前に目立たない場所で試してから使用してください。

<コンクリート>
「気密性が高く耐熱、遮音に優れること」や「デザインの自由度が高いこと」がその主なメリットといえます。反面「経年劣化でヒビ割れが発生する可能性があること」が、コンクリートのデメリットです。

【コンクリートのお手入れ方法】

コンクリ‐トの汚れはブラシやスポンジでこすった後に水で良く洗い流しましょう。手作業では落ちない場合は高圧洗浄機を使って洗浄することもできます。

ただし、家庭用と言っても高圧洗浄機の水圧で窓ガラスや壁以外の部分を傷つけない様、高圧洗浄機の説明書などをよく確認し、注意して使用してください。

<漆喰>
漆喰(しっくい)は、水酸化カルシウムと炭酸カルシウムの天然素材から構成される壁材で室内であれば「防臭効果が高いこと」「ホルムアルデヒドなどの化学物質や二酸化炭素を吸着すること」や「調湿性があること」がメリットで、外壁の場合は「意匠性の高さ」や「耐久性、耐火性の高さ」が挙げられます。

その反面「キズがつきやすい」「施工時間が長くなる」「費用が高い」「防水性が低い」などの面もあります。

また、漆喰の上から別の塗料を塗っても短期間で剥がれてしまうなどの問題があるため、外壁を漆喰にした場合はプロによる定期的な塗装を検討することをお勧めします。

<板張り>
板張りはヒノキやマツを主流に用いた、日本で昔から親しまれている外壁材です。「断熱性に優れていること」や「調湿性が高いこと」が板張りのメリットといえます。反面「色褪せが発生すること」や「水によって腐食する可能性があること」がデメリットです。

板張りの外壁のメンテナンスは表面の加工によりますが、まず表面の埃などの汚れをはホウキで払い、住宅用洗剤などを拭きとることで取れる場合もありますが、洗剤が残らない様に十分ふき取りましょう。

部分的な汚れはヤスリなどでこすり、色調にあったオイルステインやニスなどで仕上げれば、元の風合いを損なわずに補修できます。

板張りの外壁の場合も、板を傷つける可能性があるため、高圧洗浄機の使用はお勧めできません。

<ALC>
ALCパネルは「軽量気泡コンクリート」とも呼ばれる内部に気泡があるコンクリートで、その重さは通常のコンクリートの約25%。

「耐久性に富むこと」や「断熱性が高いこと」、「環境に優しいこと」などが最大のメリットです。メンテナンス次第で50年は持つとも言われています。

その反面、「水に弱い」という特性があるため、定期的な塗装で防水性を保つ必要があります。またパネルとパネルをつなぐ「シーリング」が劣化すると雨水が浸入する原因になるため、シーリングの補修も重要です。

外壁経年劣化

<注意>

・壁の高い部分をお手入れするときは、大変危険を伴います。誰かに足場を支えてもらうなどして、しっかりとした安全対策をとってください。
・水洗いする際は、高い水圧にすると、外壁を痛めたり、建物内へ浸水する危険があります。特にサッシまわりには、気を付けてください。

<メンテナンス時期のチェック方法>

外壁は長い時間が経つと、汚れが目立つようになり、色あせてきます。色あせが目立つようになると、見た目が悪いだけでなく、防水性も低下してきます。
・外壁を指でこすってみて、指に白い粉が付くようなら、「チョーキング」と呼ばれる白亜化が起きています。

紫外線や雨水などが作用して、塗膜表面の樹脂や顔料が劣化し、顔料のみが白色の粉化物として表層に付着した状態で、この状態になると、防水効果が無くなり、外壁そのものの劣化が進行するため、外壁塗装のタイミングです。

・シーリング(コーキング)の劣化

サイディングなどの外壁材と外壁材をつなぐ目地のことをシーンリングまたはコーキングと呼びます。

この部分に浮きやひび割れ、剥がれを見つけたらできるだけ早めに補修が必要です。外壁はキレイだからとこの状態を放置すれば、外壁材同士のつなぎ目から雨水が侵入し、雨漏れだけでなく、家の構造体そのものの腐敗を招くことに繋がりますので、早めにご相談ください。

お手入れをされていても、経年劣化は免れません。外壁の塗り替えなどをお考えの場合は、KGコンシェルジュが直営する「外壁塗装.pro」では信頼できる地元の専門業者=プロをご紹介していますので、ぜひご相談ください。

「外壁塗装.pro」へのお問合せはこちらから