豪雨対策・カビ&雨漏り予防【住まいのお手入れカレンダー:6月】

6月初旬には岡山もいよいよ梅雨入りシーズン。梅雨明けの7月初旬までの間は、湿度も高くなってジメジメしていますね。豪雨災害などへの備えももはや必須の時代となりました。また、梅雨の高い湿度は住まいの大敵です。カビが繁殖すれば人の健康や建物にも影響があります。

ここでは豪雨対策とカビの発生を抑制する住まいのメンテナンスをご紹介します。

まずは水害に備える

異常気象による集中豪雨が頻発し、それに伴う浸水被害などが増えている昨今。各家庭でも日頃からいざというときの備えを準備しておくと安心です。この時期、一度は浸水に対する備えをチェックしておきましょう

昔は「浸水や土砂災害は山間部で発生するもの」と思われていましたが、都市化が進み土からアスファルトになった道路が多く、ゲリラ豪雨などで短時間に狭い範囲に大量の雨水が押し寄せると、これまで土の中へ浸透していた雨水が下水道に流入し、下水道があふれて浸水被害を引き起こすということが起きています。ここは浸水は大丈夫と思っていても備えだけはしておきましょう。

【事前準備編】 被害の可能性を知り可能な範囲で備える

自宅周辺で想定される浸水やその他の被害の大きさを、ハザードマップなどで確認しておきましょう。
国土交通省ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/

家を建てる際やリフォーム時の浸水対策

1.「高床式にする」
柱等により床面を高い位置に設けるピロティ構造や、鉄筋コンクリート造の基礎を高くする構造により、想定される水位よりも床の位置を高くする。
2.「地盤を高くする」
敷地全体に盛り土を行い、周辺よりも家の地盤を高くする。必要に応じて、沈下または崩壊が生じないよう締め固め、鉄筋コンクリートの擁壁を設ける。
3.「防水壁で家を囲む」
住宅の周囲を防水性のある塀で囲むことにより、敷地外からの浸水を防ぐ。開口部は陸閘※により住居への浸水防止を図る。
4.「外壁を耐水化する」
建物自体を防水性のある建材などで囲むことで、建物への浸水被害を低減させる。玄関等の出入り口にも止水板を取り付ける等の耐水の工夫が必要。木造住宅等自重の軽い建物等では、水位上昇により生じる浮力で浮き上がらないよう、基礎との接合を強化する必要がある。
5.「設備機器を守る」
コンセントを高い位置に設置する。1階と2階のブレーカーを分けることで、2階の停電を防ぐ。エアコンの室外機や給湯器などを想定される水位より上に設置する。

浸水に備えるための対策

1.「家の周囲の安全確認・事前の対策」
家の周囲に不良箇所がないかを台風や大雨の前に確認し、必要に応じて修理する。強風により飛散する危険がある物がないかを確認し、あれば室内に移す。
2.「排水路の確保・土のうの準備」
落葉やごみで雨水ますが塞がれていると、敷地や道路が冠水する恐れがあるため、雨水ますの点検や清掃を行う。土のうにより家屋への浸水を軽減することができる。すぐに土のうを使えるよう、地域で準備するなどの工夫をする。

出典:国土交通省

浸水直前の対策

1.「玄関からの浸水を防ぐ」
土のうが無くても、ゴミ袋やプランター、ポリタンク、レジャーシートなどの身近なものを使って、家の浸水を防ぐことができる。
2.「下水の逆流を防ぐ」
急激な水位の増加により下水が逆流し、トイレや風呂場、洗濯機の排水口などから水が噴き出ることがある。ビニール袋に水を入れた水のうを置くと、逆流を抑える効果がある。
3.「床下収納からの浸水を防ぐ」
床下が浸水すると、床下収納のふたが開いて水が室内に入ることがある。重いものや水のうなどで床下収納のふたを塞ぐと、浸水を軽減する効果がある。
4.「家財の被害を防ぐ」
水害による家財被害を軽減するため、家財を2階などの高い所へ上げる。
5.「浄水槽の被害を防ぐ」
浄化槽被害を低減するため、浄化槽ポンプの電源を切る。(あらかじめ浄化槽ポンプを高い場所に設置することが望ましい。)浄化槽に土砂や泥が入ると、浄化槽の管を塞いだり、浄化機能が低下し汚水のまま河川に放流してしまう恐れがあるため、ふたがしっかり閉まっているか確認する。

出典:国土交通省

【当日編】大雨が降ってきたら

1.正確な情報収集
ラジオ・テレビ、インターネットなどで最新情報、災害情報、避難情報を確認しましょう。雨の降り方や浸水の状況に注意し、危険を感じたら自主的に避難をしましょう。
2.避難の呼びかけに注意を
危険が迫ったときには、市役所や消防署から避難を呼びかけることがあります。呼びかけがあったときは、速やかに避難しましょう。可能であればブレーカーを切っておくと安心です。
3.避難時の留意点
浸水してしまったときは、建物の2階以上の高い場所に移動し、水が引くのを待ちましょう。
4.動きやすい服装、2人以上での避難を
避難するときは、動きやすい服装で避難しましょう。また、単独行動は避け、2人以上での避難を心がけましょう。
5.異常を発見したら
浸水しそうな場所や雨水が噴出してマンホールの蓋がはずれそうな場所など、異常のある箇所を発見したときは、近づかないようにしましょう。
6.危険箇所に注意を
浸水の恐れがある立体交差点(アンダーパス)や土砂災害のおそれがある場所などは、二次災害のおそれがありますので、近づかないようにしましょう。
7.車での避難は控えて
車での避難は、緊急車両の通行の妨げになりますので、特別な場合を除きやめましょう。また、水防活動の妨げになりますので、自動車を堤防や道路に放置しないようにしましょう。
8.段差・溝に注意を
避難するときは、できるだけ浸水していない道路を選びましょう。また、浸水している場所では、側溝や水路など転落の危険があり、長い棒を杖代わりにして、十分注意しましょう。
9.地下空間の危険性
地上が冠水すると一気に水が流れこんできます。換気口など思わぬところから水が入ってくることがあります。また 、水が流れ落ちてくると、階段は登ることができなくなります。
10.水圧でドアが開きません
浸水すると、外開きでも内開きでもドアを開けることができなくなります。
11.注意を要する箇所
道路や鉄道などが立体交差し、道路が低くなっている所(アンダーパス)は、水がたまるため通行ができなくなります。
12.低いところ(窪地)
アンダーパスのほか、周辺の土地より低くなっている道路なども、周辺の土地から水が流れ込み、水がたまるため通行ができなくなります。

非常時持ちだし品(例)

1.ハザードマップ
2.貴重品
3.懐中電灯
4.ラジオ
5.携帯電話、スマホ
6.非常食、飲料水
7.医薬品
8.マッチ、ライター
9.タイル、ティッシュ
10.衣類
11.防寒具、雨具
12.ビニール袋
出典:岡山市

防災アニュアルもぜひ目を通しておくといいですね。

【岡山市防災マニュアル】

 

住まいのカビ・雨漏り対策も大切

雨の多いシーズンはカビの発生も悩みの一つ。カビが発生・生育するには4つの条件が揃うことが必要です。

その4つとは、酸素栄養温度、そして湿度。中でも酸素、栄養、温度はコントロールするのは難しいので、一番コントロールできるのは湿度です。
梅雨の期間中は特に湿度のコントロールを行って快適に過ごしたいものですね。

一番手っ取り早いのはエアコンや除湿器を使用して湿度を一定に保つこと。最近は換気や空気清浄機能に加えて除菌機能までついた機種も登場しています。

また日常的にできる対策としては、晴れた日には換気を行い、浴室などの水気や湿気の多い場所は毎日しっかりと換気を行い、水滴をこまめに拭き取ることが大切。雨の日に洗濯物を室内に干したら風が通るようにサーキュレーターを使用するなど工夫する。浴室乾燥機や洗濯物乾燥機を活用するなどして、できるだけ湿気を室内に寄せ付けないようにしてみましょう。

湿度コントロール機能のある壁


土蔵などの壁に施されている土壁は、機能の大小はありますが、湿度をコントロールする能力を備えています。故に土蔵などでは古文書などもカビが生えずに保管されていたりしています。
土の調湿は木の調湿よりも物理的に優れていて、家の湿度コントロールには最適とも言われています。
現在の調湿の代表格は、漆喰珪藻土。漆喰は石灰、珪藻土は植物プランクトンの遺骸が永年にわたって堆積してできた、粘土状の土が原料となっています。漆喰、珪藻土ともに調湿性、防火性に優れた自然素材で、気候が季節ごとに変化する日本にぴったりな建材といえます。
本格的な漆喰塗装は職人さんでないと難しいかもしれませんが、最近は漆喰塗料なども豊富でカラーも表面模様も多種多様にあり、ニオイの吸着分解で、室内の空気清浄も期待できます。
ジメジメを解消するには、こういった機能性の高い建材を使ったリフォームも検討してみる価値がありますね。

雨樋もチェックしておこう

雨樋がちゃんと排水できているか、詰まっていないかをチェックしておきましょう。落ち葉などで雨水が溜まっている部分がないか、樋の途中などに雨水がしたたり落ちている部分がないか、樋自体が劣化して漏れていないかを確認しておきましょう。

雨樋が詰まって正しく排水されない状態のまま放置していると、溜まった水が壁や屋内にまで侵入し、雨漏りなどの原因になることも。

普段あまり意識して見ることがない場所だからこそ、雨が降った時にでも点検してみてくださいね。

 

備えあれば憂いなし

大雨、洪水対策や湿気や雨漏りの予防など、今月は水にまつわることをお届けしました。近年は異常気象により、思わぬ災害が多発しています。「まさか」ということがたくさん起こっている時だからこそ、抜かりない準備をしておきましょうね。


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