自然災害に役立つ住まいの防災対策

台風や地震、大雪など、近年頻発する自然災害の脅威を耳や目にすることが増えました。
実際に被害に遭われた方々の中には、命が助かったのは不幸中の幸いであるものの、
生活の拠点となる住まいを自然の猛威に台無しにされてしまった方や、なかなか復旧の目途が立たない方も多いのを見ると本当に心が痛みますね。

でも、これは他人事ではなく、被害に遭われた方の多くが「まさか」という想いでいらっしゃるのも事実です。

 

私達もいつどんな災害が起きる可能性があるのか、その為にできる備えはないかを常に考えておくことが必要です。

ここでは「まさか」の時に備えた日常的にできる「住まいの防災対策」と「災害が近づく前に出来る準備」についてご紹介します。

まず、ライフラインや食料などについては、電気やガス、水道などのライフラインが止まった場合に備えて、普段から飲料水や保存の効く食料などを備蓄しておくことが大切です。
防災のために特別なものを用意するのではなく、普段の生活の中で利用されている食品等を備え、定期的に消費期限の近いものから食べて、入れ替えるるようにしてください。

食料・飲料・生活必需品などの備蓄は、基本的には人数分を用意します。
用意する目安としては、

飲料水 3日分(1人1日3リットルが目安)
非常食 3日分の食料として、ご飯(アルファ米など)、ビスケット、板チョコ、乾パンなど
日用品 トイレットペーパー、ティッシュペーパー・マッチ、ろうそく・カセットコンロ など

ただし、大規模災害などの場合には「1週間分」の備蓄が望ましいとされています。
また、飲料水とは別にトイレなどの汚水を流したりするための生活用水も必要です。日頃から、水道水を入れたポリタンクを用意したり、お風呂の水をいつも張っておく、などの備えが大切です。

次に、災害別の対策ポイントと注意です。

【台風】

台風は、8月後半から~10月にかけて発生することが多いため、災害の中でも予め備える準備ができるとも言えます。
時期がくる前に必要な準備や点検をし、台風シーズンが近づいてきたら、テレビやラジオの情報に注意し、被害を最小限に留めるためにも、万全の対策を取るよう心がけてください。

<対策>
雨戸やシャッターを閉め、窓は鍵をかけましょう。雨戸やシャッターがない場合は「ダンボールとガムテープ」を使って、窓ガラスの割れを防止しましょう。
方法は簡単で、ガムテープを使ってダンボールを窓枠に貼り付けていくだけです。注意点としては、ダンボールの重なる部分もガムテープでつないでおくことです。これだけでも、ガラスが割れたときに破片が飛び散って怪我するのを予防することができます。
ダンボールがない場合には、養生テープやガムテープをガラスに「米」印に貼ります。「養生テープ」の方があとでキレイに剥がすことができるので、ガムテープより便利です。
また市販の「飛散防止フィルム」や「防犯フィルム」などを貼っておけばなお安心です。

<注意>
窓ガラスにテープを貼るのは「割れにくくするため」ではなく、万が一、割れてしまったときに「ガラスの飛散を防ぐため」です。
くれぐれも「これで割れないから大丈夫」と過信しないようにしてください。段ボールなどが無い場合も、「カーテンを閉めてできるだけ窓から離れた場所で寝る」などの用心をしましょう。
万が一、飛来物などで窓ガラスが破られたときは、ひとまず畳や家具で窓をふさいでください。そのままにしておくと、被害が建物内にも広がる恐れがあります。

台風対策

・雨戸のない窓は、サッシの下に、雑巾やタオルなどを当てておくと、吹き込みを防ぐのに効果的です。
・家のまわりや庭やバルコニーにある、「飛びやすいもの(植木・自転車・おもちゃなど)」は事前に片づけておきましょう。
・物干し竿などは、飛ばされないよう片づけるか、ひもなどで固定してください。
・背の高いもの(物干し台など)は予め倒して、固定できる場所があれば括り付けおきましょう。
・アンテナなどは、状態に応じて補強または固定してください。
・プロパンガスのボンベはしっかり固定されているか確認し、不案な場合はガス会社に連絡して確認してもらいましょう。
・雨樋や排水口などは、事前にゴミが詰まっていないかチェックしておくことが大切です。

<洪水情報が出た場合の対処の仕方>
・2階建ての住居の場合、床上浸水に備えて、畳・寝具・衣類・家財道具や、水に濡れて欲しくないものは、できるだけ2階に運びましょう。
・土嚢などの準備がある場合は板で家の周囲の床下の通気口や浸水が想定される側の入り口から囲い、その上から土嚢で固定します。
・浄化槽のモーターなどの、電源を切っておいてください。
・浸水した場合は、水道が使えなくなることもあります。念のため、飲料水などを確保し、安全な場所に避難しましょう。

【地震】

地震は予測が付かないので、普段からの対策が大切です。いざというとき慌てないよう、日頃の対策を心がけましょう。
阪神・淡路大震災では、建物自体は倒壊しなかったが、家具の転倒や落下などで、家具の下敷きになったり、割れたガラスなどで怪我をした被害が多くありました。
家具の転倒・落下により、ケガをするだけでなく、倒れた家具により、部屋の出入り口や廊下がふさがれ、避難することが困難になります。日ごろから家具の固定をしたり、倒れた時に出入り口をふさいだりしないよう、家具の向きや配置を工夫しましょう。

<対策>
・家具が倒れないように、倒れ防止金具を取り付けておきましょう。(L字金具などで固定。支え棒を使用する場合は壁側に設置し、床との間に免震ゴムを手前側(壁の反対側)に入れるとよいといわれています。)

地震対策

・落下防止を防ぐためにも、家具や棚の上に、重いものを載せるのは止めましょう。
・食器棚などのガラスは、割れて飛び散る恐れがあり、大変危険なので、市販の飛散防止フィルムなどを、貼っておくと安心です。しかし、ただ貼っていれば安心というわけではありません。ガラスが大きければ、それだけ割れたときの飛散量も多くなり危険度も上がります。
一般的な飛散防止フィルムの厚さは50ミクロンが主流ですが、大きなガラス(高さが2メートル以上のガラス)に50ミクロンのフィルムを貼っても、必ずしも安心だとは言い切れません。飛散防止フィルムを選ぶ際は、窓ガラスのサイズによって厚みを変えることをおすすめします。

<注意>
地震を感じたら、ガスコンロの火を消し、元栓を締め、電気器具のコンセントを抜くなどして、火災を予防してください。
・その後、テーブルの下など、安全な場所に避難してください。

<台風や地震発生後の点検個所と対応>
・屋根瓦やトタン、屋根材などのズレや欠損がないか
・アンテナが外れたり、電線が切れていないか
・プロパンガスのボンベに異常はないか、ガス臭くないか
・二階から落ちそうなものや、折れそうになっている木などはないか
・床上、床下浸水などをしている場合は、水が引くのを待ち、水や泥、堆積物を屋外に出しましょう。

<注意>
上記の項目に異常がみられる場合は自分で対応ぜず、各分野の専門業者に連絡しましょう。むやみに触って感電したり、事故に繋がる危険性もあります。
また、雨漏れがする場合や、雨漏れ自体は確認できなくても、壁の中や天井から水の落ちる音がするなどの症状がある場合は、早めに屋根の専門業者に連絡し応急処置を施してもらいましょう。

【大雪】

雪は思った以上に重さがあり、屋根や建物に大きな負担がかかります。屋根に積もった雪をそのままにすると、一度に落下して、周囲に思わぬ損害を与えることもあります。大雪の降った後は、雪下ろしをしましょう。

<対策>
・水道管に凍結のおそれがある場合は、水を少量出しておくか、水抜きするとよいでしょう。
・屋根の雪止めに損傷がないか点検し、除雪用具などの確認をしておきましょう。

<大雪後の点検個所と対応>
・玄関まわりの除雪は、すべての雪を除いてしまうと、霜柱が地面を押し上げ、建物を傷めることもあります。除雪は最小限にしてください。
・屋根瓦・アンテナ・雨樋などに、破損はないか、チェックしましょう。
・屋根の雪下ろしをする際は、足下が滑りやすく危険です。充分注意してください。

備えをしていても、自然の脅威には逆らえません。自然災害での修理・修繕ついてのご相談も「KGコンシェルジュ」におまかせください。

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