火災の多い時期に備える火災報知器の点検とトラッキング現象について【住まいのお手入れカレンダー:2月】

電気イメージ

冬の時期に起こり易い火災原因の一つとして挙げられるのが「トラッキング現象」。トラッキング現象は寒い季節に結露によりホコリが湿気を含むことで起こりやすくなります。

そしていざ火災が発生した際にいち早く知らせてくれる「火災報知器」ですが、もしその「火災報知器」が故障していたら・・・考えるだけでも恐ろしいですよね。

ここでは、「トラッキング現象」のメカニズムとその防止策、また「火災報知器」の点検方法についてご紹介いたします。

■トラッキング現象

電気のトラブルで怖いものの中に「トラッキング現象」があります。
「トラッキング現象」とは、長い間差しっぱなしになっているコンセントと電源プラグの間にホコリが溜まって、そのホコリが空気中の湿気を吸収することで放電してしまう現象です。
コンセントと電気プラグの間に湿気を含むホコリがあるとコンセントの刃と刃の間に電流が流れ、炭化してしまいます。炭化すると「トラック」と呼ばれる電気を通しやすくなる道ができます。トラッキング現象で電気が漏れ、通しやすくなるとショートして火花が発生します。その火花が近くに燃え移ると火事になってしまう可能性が高いため、非常に危険性です。

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岡山市HPより https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000003339.html

とくに起きやすい場所としては、洗濯機・テレビ・冷蔵庫などの大型家電の裏側や台所・脱衣所・洗面所といった湿気の多い場所などで、定期的に電源プラグを抜き、乾いた布でホコリを取り除いてください。

この現象は、家電のプラグをただコンセントに差したままであっても起こることがあります。多くの家電は電源を入れていなくても、常に電気が流れている状態です。
トラッキング現象は不在時に突然起きることもあるため、使っていない場合はプラグを抜くようにしてください。

また、使わないコンセント穴をそのままにしておくと、少しずつホコリが入ってしまう恐れもるので、使わないコンセント穴には、市販されているキャップなどをしておくことで、ホコリが中へ入りこむことを防ぐことができます。寝室やリビングなどは、布製品からホコリが出やすいので特に注意が必要です。
また、トラッキング現象防止機能が備わった電源プラグやタップに変更することもトラッキング火災予防に有効な対策となります。トラッキング現象防止機能とは、電源プラグの刃の根元に絶縁性のあるキャップが付いていて、万一、ホコリが溜まっても発火を防ぐことが出来ます。

トラッキング現象

■火災報知器

火災報知機

消防法改正により、住宅用火災警報器の設置が義務付けられましたが、火災報知器には「煙感知式」と「熱感知式」の2種類があります。

各市町村で違いはありますが、共通して「煙感知式」の火災警報器を設置する様義務化されている場所は

・寝室
・寝室がある階が2階以上の場合の階段の踊り場の天井又は壁
・住宅用火災警報器を取り付けた階から2階離れた居室のある階の階段
・上記に該当しない階で、7平方メートル(約四畳半)以上の居室が5以上ある階の廊下(廊下が無い場合は階段)

と定められています。

(岡山市ホームページより参照 https://www.city.okayama.jp/kurashi/0000010225.html)

岡山市では「熱感知式」のものは、設置義務はありませんが、火災の可能性が高い台所には「熱感知式」の火災報知器が適しています。
(煙感知式は料理等の煙により作動することがあるためです。ガスを使用する台所にはガス漏れ警報器の設置をお勧めします。)

いざという時のための火災報知器も、正常に作動しなければ意味がありません。
万が一、火災が発生した場合に、せっかく取り付けた住宅用火災警報器が作動しない…なんてことにならないよう、日頃からお手入れと作動確認をしておきましょう。

火災報知器の作動点検

警報器のボタンを押す(もしくは紐をひっぱる)とテスト音がなります。
異常がないか、定期的に確認しましょう。

音が鳴らないときには、
・電池がしっかりセットされているか確認する。
・電池切れを確認する。

それでも鳴らない場合は故障が考えられます。取扱説明書を確認してください。

電池交換の時期

電池切れのときは「音声で知らせる」か、「ピ・ピ・ピ」といったアラーム音がなります。電池の寿命は、機種により異なりますので火災報知器本体裏側の表示を確認してください。

火災報知器の汚れ

火災報知器にほこりなどが付着すると感知しづらくなります。
最低でも1年に1回ぐらいは布などで乾拭きしてください。
ただし、
・有機溶剤(ベンジン・シンナーなど)などを使う
・水洗いする
・煙の流入口をふさいだり、傷つける
これらは故障の原因になるので、絶対にしないよう注意してください。

住宅用火災警報器本体交換の目安

交換の目安は「設置後、10年をこえない期間」とされています。

自動試験機能付きの火災報知器の場合は、自動的に本体の機能や電池不足を試験して、異常等を音声や警報音などでお知らせします。
音声などが鳴ったら、本体ごと交換してください。
有効期限が表示されたものは、記載されている時期までに本体ごと交換してください。

火災を起こさないために注意すべきこと

・寝たばこ絶対禁止
・ストーブなど暖房器具には、燃えやすいものを近づけない。
・放火されやすいものを家の周りに放置しない。
・タコ足配線はしない。ホコリはこまめに掃除する。
・ガスこんろのそばを離れるときは、必ずを火を消す。
・住宅用火災警報器の設置。
・住宅用消火器具等の設置。

火災報知器が鳴った時の対処法は・・・?

火災ではないけど警報器が鳴った場合

調理時の煙や殺虫剤等によって鳴ってしまった場合は警報器のボタンを押す、または、紐をひいて警報を止めましょう。

機器異常や電池交換の時

警報を止め、電池または本体ごと交換しましょう。

取扱説明書がない場合でも、メーカ別の機種ごとに、適切に維持管理方法や警報が鳴った時の正しい対処方法等について記載されている、日本火災報知機工業会のHPをご活用下さい。
http://www.kaho.or.jp/user/awm/awm09/p01.html
(一般社団法人日本火災報知機工業会)

 

■まとめ

我々の生活に必要不可欠な電気は大変便利であると同時に、正しく使用し、正しく管理しないと危険なものでもあります。
日々安全に快適な生活を送るためにも、こまめな点検やメンテナンスを心がけましょう。

また、「コンセントが少なくてすぐブレーカーが落ちる」「分電盤が古くなっている」「電気の使用容量を増やしたい」などのご依頼も、「KGコンシェルジュ」にご相談ください。